July 2009

2009. 7. 31|FRI

明けてから眠ったのに午前8時ごろ目覚める。もう一度眠ろうかしらと思っている間に午前10時ごろとなり、こんな日でないと懸案の理髪も不可能だろうと判断して理髪店に。主に襟足と前髪を切ってもらう算段だったが、おもいのほか短くされて、別に髪型自体は全然良いのだけれども、出演の舞台の都合からしてさわやかになりすぎたのではないかと懸念する。帰り路、ついでに買い物。

午後から終日稽古。寝不足のせいか頭によく血が上った。午後9時ごろ、ふいに非常に眠たくなり、なんとか瞼を開こうとするも意識が遠のきちょっと夢まで見てしまう。

帰宅して夕食を取り(土用の丑の日)、半時間ほど寝る。chikinの3人に起こされ、8月中にリニューアル予定のwebの素材のために撮る写真に向けて衣装を考える。今回、わりとchikinと俺との方向性が合致しているため話がはやい感じ。なかなか良い感じ。深夜、付けていたテレビでよくある万引きGメンのドキュメンタリーが始まったころ、chikinの面々は三々五々解散。

その後、絶対音感のある同居人に少し歌の稽古に付き合ってもらう。めちゃくちゃわかりやすい。便利だなー。絶対音感。レスポンスが速いことの大切さを感じる。しかしまあ、そんなわけでいろいろと速度のことを強く意識した7月も終わりである。ああ。

2009. 7. 30|THU

車窓

朝、阪急に乗り伊丹まで。アイホールにて稽古。阪急の車両の色はとても綺麗。終わったのが午後10時で、京都に戻ったのが午前0時。それからわけあって四条通りを少し徘徊し、帰宅は午前1時前。

たぶん、ゲネで初めて全貌が見えれば良いところって感じ。今は一パフォーマーである私にはほとんど何もわからない。『アロマロア エロゲロエ』でこの感じは一度味わっているとはいえ、やはり怖い。

ただ、この感じの凄みを知ってしまうと、予め脚本があって、それに従い「精度を上げる」といった趣きの稽古には退屈で耐えられない気がする。もちろんそれはそれで別の話だと理解しているが、たとえそれがそれなりにアクロバティックでも、仮に関わり方が観客としてであれば、作家の脳内の箱庭を見ている気分からはなかなか脱せないだろう。良いとか悪いとかではなく、それが今の私の興味の方向が示すものだ。

だから稽古日は後三日だが、その後の小屋入りも含めてそこに感じる可能性は大きく、というか、そこに賭けないで何をするといった話。

まだ誰も知らないそれ。是非ご覧頂きたい。

2009. 7. 29|WED

疲れが溜まっていたのか稽古に遅刻。終日稽古。明日はアイホールにて稽古だから今利用している京都芸術センターでの稽古は残すところ三日だ。明日あたりからたぶん、雰囲気がガツンと変わる気がする。いつもの如く普段の5倍速くらいで最後に巻き込むパターンなんだろうな……。

明日からしばらくは書く事の無い日々になるだろう。本番まであと10日。

2009. 7. 28|TUE

27日深夜から28日夕方にかけて借りているサーバーに障害があったため日記が滞りました。

さて、27日。終日稽古。

本日。終日稽古。歌って踊って。ここにきて濃度のある稽古時間だった。今月も残り僅か。

次は昨日、目にしたニュース。

たばこを自動販売機で購入する際に必要な成人識別ICカード「taspo(タスポ)」の所有者の個人情報について、社団法人・日本たばこ協会(東京都港区)が、警察・検察当局の照会に基づき任意提供していたことが分かった。協会は「刑事訴訟法に基づく照会の場合、協会の判断でほぼすべての照会に応じている」と説明している。

やっぱり嫌だな、タスポ。だいたい名前がふざけている。

特に書く事、無いな。本日の夕食、冷麺/餃子/ハートランド。

上に貼った動画は「neco眠る with 二階堂和美」による「DODDODO」のカバーで『猫がニャ〜て、犬がワンッ!』。見たところ、撮影場所は梅田シャングリラ。終盤の景色、貨物列車/遠方にそびえるビル/その上の無数のクレーンが美しい。そしてもちろん、名曲!

2009. 7. 26|SUN

もきち

午前10時半頃起床。豪雨。窓を閉めて音楽をかけても雨音が多分に聞こえる。俺の布団を飼い猫がうろちょろしていたので何となく撫でていると、なぜ眠るための方法として羊を数えるのだろうか、そういえばもきちは羊にちょっと似ているが、そのせいでこいつを撫でると眠いのだろうか……などと思いながら、といった感じで二度寝。

起きると正午過ぎ。雨は降っていなかったが、稽古場に向かうために家を出た瞬間、豪雨。どうしようか、と家に戻り考えている間に止む。亜熱帯のような天候。

終日稽古。帰宅するとcossiが来訪していた。同居人がお好み焼を食いに行こうというので、どこにする? というのも我が家周辺には、半径100メートル内にお好み焼屋が3つある。一昨日の日記に書いた「たこなぐり」の変身によって3つになったのである。結果、「将月」に行きビールとお好み焼という、一昨日と同じ夕食。店を出ると、また豪雨。家までの距離100メートル弱、それを走る間にずぶ濡れになる。

さて、写真は飼い猫のもきちだが、ここのところ日記では触れていないものの、検討した結果、もきちの毛を切る計画は進行中である。「かつおぶしに夢中になっている間に素早く切る作戦」が効果覿面で、一日おきにかつおぶしを与え巨大な毛玉の除去に勤しみ、中日は小さな毛玉を切っている。今日は握り拳ほどになってしまっていたたいへんな毛玉を細かく切り続けていると一部がほぐれ、そこに活路を見いだす事ができ、大きな成果。なんというか、最近この作業にはまっている。稽古から帰宅すると、毛を切り、寝る。この前などはもきちが眠たくなる早朝を待ち、大きな成果を上げようともきちと共にリビングに居たらそこで寝てしまった、というような熱の入れようである。

今日の日記にタイトルをつけるとしたら、「豪雨。稽古。毛狩り」。ただ、そんなタイトルを付けてしまうと、日記としてはもうそのタイトルだけで充足してしまうのだ。なにしろ日常に特筆すべきことなど滅多にない。だけど俺は無価値とされる日常を綿々と。なぜこんなことをしているのか、その理由はわからないままか、いずれわかるにしても、日記をやめる動機になり得ないものであってほしい。そんなわけで、やはりタイトルはまだ要らないのだった。

2009. 7. 25|SAT

鳥

強い雨だったため、バスで稽古場である京都芸術センターに。

今日はいつもより稽古が2時間早く終わったため、皆でスーパー銭湯に。『アロマロア エロゲロエ』の時も皆で行ったのだった。ここのところシャワーで済ませていたので湯船にゆっくりとつかり疲れがドッと出る。話が飛ぶようだが、16歳のころ、バイト先の打ち上げの際、それはまあ、簡単に言うとあまり綺麗じゃない金で80人ほどの若者が乱痴気騒ぎをするといったようなものだったのだが、そこで年少だった俺はビールを浴びるように呑まされ、実際に浴びさせられたりしていて、それが確か18になるころにはバイト先で少し地位が向上したので対象が移ったのだったが、およそ3年ほど続き、そんなこんなでビールがダメになった。ところが何がきっかけか忘れたが、25も終わりに近づいてようやくビールを楽しむことができるようになったため、この夏はビールばかり呑んでいる。そんなわけで、ドッと疲れが出た体にビール。ねむいねむい。サバイサバイ。

でもまあ、なぜか日記を律儀に付けつつ、今日を振り返る。……これは再び小屋入りしてから必死コースだろうなあ。今回、いまだクリティカルなアイデアを提示できていない。そう思うとねむねむい、サバイサバイとも言ってられないのだった。むー。ムー。

2009. 7. 24|FRI

後輪

今、髭を伸ばしている。万が一、現在稽古中の舞台の本番間際に「髭を伸ばせ」と言われても髭はそんなに伸びないので、今から伸ばしている。頭髪も伸ばしている。後ろが結べるほどに長い。そして俺はメガネで痩せているから、ああ、なんと胡散臭い様相だろう。以前から続けている筋トレも、舞台出演が決まってから少し量を増やし、加えて日々の稽古があるため、今、過去最高に筋肉質だ。なんともまあ、いわゆるダメな人的風貌になってしまった。

深夜、同居人のiPhoneに入っている『つみネコ』というゲームを必死でやってしまう。

近所のたこ焼き屋「たこなぐり」が、店名そのままにお好み焼屋になっていて驚く。屋台風の店なのだが、8個350円でけっこう腹が膨れるため頻繁に利用しており、稽古が終わり帰宅し、さて、今日はビールとたこ焼きにするかと向かうとお好み焼き1枚330円の店になっていたのだった。仕方無いので「1枚ください」と言ったものの、頻繁に通っていたため店主とも顔見知りだし、なんか、順応しすぎるのもお互い気まずい感じがあって、「お好み焼屋さんになったんですか?」と話しかけると、「お好み焼が落ち着いたらたこ焼きも復活します」とのこと。どういうことか良くわからないが、俺は「たこなぐり」を応援する。赤いTシャツがトレードマークだった店主だが、お好み焼を始めてからTシャツは緑になった。なぜだ。

今月も一週間を切ったのだという。なんてこった。そんなわけで、さて、改めて告知しておこう。

高嶺格 新作パフォーマンス『Melody♥Cup』

出演|Dearborn K. Mendhaka♡Pakorn Thummapruksa♡Ratchanok Ketboonruang♡Preeyachanok Ketsuwan♡Nattiporn Athakhan♡朝倉太郎♡伊藤彩里♡木村敦子♡トミー(chikin)♡ニイユミコ(花嵐)♡諸江翔大朗♡児玉悟之

スタッフ|舞台監督_尾崎聡♡照明_葛西健一♡音響_山崎伸吾♡システム_小西小多郎♡宣伝美術_木村敦子

日時|2009年8月8日(土)7:00pm  8月9日(日)1:00pm/5:00pm
料金|一般前売2,500円 当日2,800円 学生&ユース(25才以下)前売2,000円 当日2,300円
*9日1:00pmの回に限り、18才以下、60才以上入場無料(事前予約)
取扱|JCDNダンスリザーブ チケットぴあ
会場・チケット予約・お問い合わせ|アイホール(伊丹市立演劇ホール)

さて、面白いので必ず観よう。チケットは私にご連絡いただければお取りできます。日時がサマソニと被っていますが、サマソニは観ずにこちらに来るのが良いと思います。もしくは、こちらとサマソニの両方を観ても良いかもしれません。

2009. 7. 23|THU

かんかん照り。終日稽古。

帰宅してビールと夕食、その後スミノフを呑んでゆらゆらとコンビニへ煙草を買いにいくもラッキーストライクのBOXが品切れだったのでアメリカンスピリットの黒を買う。

ちくま文庫の『ねずみ男の冒険』を読了。

『Melody♥Cup』のインタビュー記事が掲載されたとの連絡。「dance+」というサイトのこのページ

あまり書く事がないので、YouTubeの動画でも貼っておく。ANIMAというバンドの『シーラカンス』という曲のPVだ。監督は快快の篠田千明。

2009. 7. 22|WED

三千院

さて日蝕だが、曇天だったため肉眼でもちらちらと「あ、欠けてるのかな」、という時があったのだったが、家の前で見ていると飼い猫が家を出て来て、隣の家にダッシュで入っていってしまい、すいませーんとなり、連れ出してきてもらったお隣さんに猫の毛を切ったのかと聞かれたので、こうこうで麻酔無しで切ってもらうのが難しくて自分で、と世間話をしているうちに日蝕のことはもういいや、となる。

昼過ぎに鴨川沿いの「air」という店で紅茶を飲み、同居人が最近の天候から苔が良い感じなのではないか、というので三千院までバイクにて。阿弥陀三尊坐像を見ていると「SANZENIN」とバックプリントされたTシャツの方に(境内の人はみなそれだった)、色々と解説をしていただく。指のサインのことや如来と菩薩の見分け方といった基本的なことから、歴史的背景から仏像の顔を見れば作られた時期がわかるといったようなことも。そういうことを教えてもらうと他の仏像も見たくなる。閉館まぎわに入場したのに阿弥陀三尊坐像のある往生極楽院に長居してしまったので駆け足で残りを。何かにつけ金をよこせといったコーナーが頻繁にあるものの、境内の人たちはみな親切。喫煙所もたくさんあった。あ、苔は綺麗に咲いていた。

それから一旦、帰宅し、「VIVA LA MUSICA」に。「AUX」を観ようと行ったのだったが、よくわからないギターのインプロビゼーションをやっていた人がダラダラと長く、「AUX」を観終えたのは四時間後だった。出演者でない客は俺を含め5人くらい。二年前に見た時はキーボードの奥さんに抱えられていたお子さんが大きくなっていた。俺がタイプなのかその子はずっと俺を見てくる。かわいい。「AUX」の演奏は、「VIVA LA MUSICA」の店主と仲が良いのか友達のところに遊びに来たというような感じでメンバーも即席の様子で、それはそれで良かったものの、「AUX」の前にながながとギターを弄んでいた人が、なんかあの、アメリカンクラッカーみたいなシャカシャカうるさいやつを両手で振り回し「AUX」を見ていたため気分を害する。うるさくなければ別に良いのだけれども、うるさいんだよ。完全に不必要な音なのにうるさく、変にノリノリだったのでやめてくれと途中で告げる。そして発売は約2年前だが未だに愛聴している名盤『magic music』からの楽曲の、その環境でも揺るがない良さに連れて行った同居人と次はちゃんとしたワンマンを観よう、となる。

帰ってビールを呑んで諸江くんにもらったイカを食い、「BRUTUS」の2009年4月15日号である仏像特集のものを読み復習をし寝る。そして何故か明け方に目覚めてしまったのでこの日記。三日続けて稽古場の夢を見てしまった。さて、もう一眠りするか、借りてきた『そして船は行く』を観るか『ねずみ男の冒険』を読むか。どうしようかな。

2009. 7. 21|TUE

薪割り

雨天。バスで稽古場である京都芸術センターに。連日、色々な事を試しているが、今日は特にごちゃごちゃと色々できて良かったと思う。もっと稽古場が混沌となればとても面白いはずだ。

稽古後、みなで居酒屋に。そこでのことと直接関係はないものの、タイの面々の集中力はすごい。俺も集中することに自信がある、ってどういう自負だか良くわからないが、まあ、端的に言えば集中し過ぎて体を悪くしたくらいなのだが、彼らのそれは違い、もっと健全で、抜く時はしっかりと緩めているから見事だ。そして彼らのほうが振れ幅がある分、グッと上げた時の馬力がすごい。俺はフラット。別段、見習って真似られることではないので、ただの感想というか感慨。

帰宅。Amazonから水木しげるの『ねずみ男の冒険』が届いていたので少し読むが、あまりに眠たかったので明け方就寝。

そんなわけで翌日の朝に書かれている日記である。日蝕は曇天でほとんど見られず。本日はオフ。明日からはノンストップで本番日である8月8日、9日まで。

掲載の写真は俺が丹波マンガン記念館で薪を割っている様子だ。先日、そういえばマンガン記念館で誰かがここの模様をmixiに書いていたと言っていたなあ、と思い出し、いろいろ検索したところ、俺に蒔割りを教えてくださった方のページに辿り着いたのだった。その方がmixiに掲載されていた写真を少しトリミングしたものが上のものになる。撮るばかりで写ることが少ない俺にはありがたい。ただ、『Melody Cup』はタイの皆が異国の地ということもあって良く写真を撮っているから、俺も頻繁に写っている。公演が終わったらデータをもらおう。

2009. 7. 20|MON

壁

海の日。朝に眠り、午前10時ごろ起床。11時過ぎ、街に出る。タイの面々が買い物に行くというので何となく一緒に行く。別段、俺は買い物が目的ではなかったのだけれども、ふらりと寄ったLevi’sで、現在、持っている606が、ひとつはリペアに出した後また穴が三つも空いてしまい、もうひとつは今にも穴が開きそうだということがあり、SALEで半額だった同じ型番のものを新調。あと、古着屋で変なTシャツを買う。

タイの面々は、もちろん一人の時間などはそうでないに決まっているであろうが、いつも楽しそうである。そしてとてもわかりやすいというか、うまく言えないがスッとしていて、それは優しい。反面、俺はペラペラ喋っているかと思えば長時間黙ったりしてしまうので、その時は不機嫌だと誤解されやすい。気を揉ませてしまい申し訳ないこともある。さらに言えば、日本語を口に出しながら思考する癖があるので、それもまた厄介だ。そんなことをすれば独り言つている状態と相違ない。

恐らくこれらのことによって生まれるタイムラグやストレスが己を鈍らせているのだろう。良くも悪くも言葉の強靭さを痛感する。そしてそれはもちろんタイの面々も同じだろうし、それを超えて英語で話しかけてくれるのにうまく答えられない自分が非常に腹立たしい。

稽古は折り返し地点を過ぎたところ。俺はまだ何もできていない。むー。

さて、帰宅し、我が家でchikinの会議。webのリニューアルに際する話を終えると俺は体が空いたので、所用でフェリーニの『そして船は行く』をTSUTAYAに探しに行く。どこも代表作3本くらいしか置いていなかったため、見つからず。ネット検索で作品のパッケージのことを調べると、DVDなどはプレミア価格になっていた。VHSならどこかでレンタルに出ているだろうが……。

……ありきたりな言い方だが、しばらくは誤解や失敗を恐れず人体実験をするしかないのだろうなあ。後はバランス感覚が命だ。しょっちゅう踏み外す俺だが、どうやらいつも指一本でも残っていたのだろう。そういうことをしているのだろうなあ、結局。

2009. 7. 19|SUN

昼過ぎに目を覚ます。雨。ザーザーと降った一日だったが、幸運なことに稽古場への往復時はほとんど止んでいて濡れずに済む。

ようやく、何となくだが『Melody Cup』の「感じ」がわかってきた気がする。

帰宅後は連日やっている飼い猫の毛を切る作業だが、ひどい毛玉があってそれがどうにもならない。鋏の先で皮膚をわずかだが切ってしまい、猫のもきちは何かあってもうんともすんとも言わない猫だから、しばらくして気が付く。僅かだからほとんど出血も無いものの、あのひどい毛玉を取るとしたら同じ失敗をする可能性がとても高いので、鋏でがんばって切る作戦は断念。何か妙案は無いものか。やはり麻酔をかけて全身の毛を刈ってしまうしか無いのかしら。でもなあ、やっぱりたかが毛を切るだけで全身麻酔は大げさだと思うし……。

深夜。雨がしとしと。もうそろそろ梅雨明けかしら。降るなら降るで盛大に降るのも夏っぽくて良い。

「錬金術」『ねずみ男の冒険』

人生はそれでいいんだ……………
この世の中にこれは価値だと声を大にして叫ぶに値することがあるかね
すべてがまやかしじゃないか

さて、右に載せた画像と上の台詞は『ねずみ男の冒険』のとあるページを掲載していた「ユリイカ 2005年9月号 特集*水木しげる」からの孫引き。

続いて高嶺さんの『[大きな休息]明日のためのガーデニング 1095㎡』のパンフレットおよび、俺も文章を寄せさせてもらったカタログに掲載されている『[大きな吐息]怒りのガーデニング 1095㎡』という文章から引用する。

ガラスがある、以前ならそれをたたき割ってしまうことで表現になっていた。いまはもう、割らない。柱がある、それをぶっ潰さずに腑抜けにする。いまどんなに価値があるとされているものも、いずれゴミになって価値を失う。廃材の山を見て美しいと思うのは、どれも等しく価値がないからだ。感動的均一性。私の実現したいのはそれだ。

今月の3日の日記

夜、酒と煙草を買いにコンビニに行って雑誌のコーナーを眺めれば、ファッション雑誌、テレビの雑誌、コミック雑誌、新製品関連の雑誌、結婚関連の雑誌、エロ本。

と、「STUDIO VOICE」の休刊に際して既述したが、価値が不明確なものがことごとく消されていく現状は明白である。そして「価値を認めろ」ではなく、われわれは「価値」そのものの化けの皮を剥がしたいのだろう。そのために順序だてた行動は必要か否か。当然、必要に思えるものの、論理的順序などおそらく存在し得ない。だから、答えは否だ。そしてねずみ男、半妖怪という稀有な存在が言う上記の言葉に収斂される。つまり不明確どころか不可視なる世界までをも想定しなければ、表現は不可能だということだ。笑われても踊り続けるだけである。

見ようとするよりも、それがあるということを認識することから始まる。今回は、そういうことが特に大事な気がした、という今日の日記

2009. 7. 18|SAT

17日。午前10時過ぎに起床。昼過ぎから終日、AI・HALLにて稽古。午前様で帰宅。

18日。京都芸術センターで昼過ぎから終日、稽古。帰宅後、かばんを置くなりゴキブリ退治をする。猫というものはゴキブリを退治してくれるものと相場が決まっているはずなのに、我が家のふわふわの奴は何の役にも立たない。

なんか、今日は傷だらけになってしまった。腰骨が、帰宅して気付いたが擦りむけて出血していたし、足はホワイトボードにぶつけて爪が剥がれるし、もきちの毛を引き続きはさみで切っていたら抵抗にあい両手両膝をひっかかれる。

しかしまあ、毎日8時間も稽古しているにも関わらず、その時間が酷く短く感じる。8時間といえばもっと色々なことができそうだが、いつも気付けば終わりといった案配だ。思っていた以上に時間は無いのかもしれない。

2009. 7. 16|THU

立入禁止

午前10時起床。11時にタイの面々が宿泊している家にお邪魔する。昨晩、タイ料理を御馳走してくれるとのことで伺ったのだった。どれも大変美味しく、味覚の相性が良いことを確信する。その中に味噌のようなペースト状のものがあり、柑橘系の味が強いのに白飯とあう、あまり日本には無い感じのものが気に入り、GOOD GOODと言っていたら、それは虫を焼いてすりつぶしたものだと教わる。Googleの画像検索で教えてくれたその虫はタガメのようなやつで、まあ気持ち悪い感じだったが、タイの市場にずらりと昆虫が並んでいる様子や、いもむしはとても高級で旨いというような話も、振る舞ってもらった料理のおいしさから、抵抗なくそうなのだろうなあ、と思う。

帰宅し、少し寝たり、夜、「D Dining」で久しぶりに夕食を取ったりした後、「汚点紫」というカフェ・ギャラリーに。タイの面々の紹介で知り合った韓国から来、一ヶ月ほどステイしている女性のDrawing展に。落ち着く空間で、かわいい猫もいて、慣れもあって俺のポンコツ英語もそれほど神経すり減らさず使えるようになってきたこともあり、思いのほか長居する。日付が変わったのに気付き帰宅。

今日も暑く、天気が良かった。夜、飼い猫のもきちの毛をはさみで切る。もきちは長毛種ゆえに現在、ブラッシングでは手に負えないほど毛玉だらけなのだが、俺が毛玉ごときに全身麻酔までして丸刈りにするのは嫌だと言いはり、数日かけて毛を短くする計画を開始したのだ。ざっと背中の毛を短くする。触られるのを嫌がる腹のほうに毛玉は集中していて先が思いやられるが、まあ、今月中にはなんとかなるのではないだろうか。でも毛玉を触ると毛が引っ張られて痛いのかとても嫌がる。やっぱり難しいかなあ……。

2009. 7. 15|WED

晴天

長い一日。今朝は、午前8時に家を出ないと医者の予約時刻に間に合わなかったため、徹夜で行く覚悟だったものの、午前7時にスッと眠ってしまう。

そんなわけで寝過ごしたのだったが、何とか5年通っている医者の診療時間内には滑り込む。

晴天であった。医者に行ったついでに実家に帰り、紛失したカブの鍵のオリジナルを受け取り帰宅。

帰宅し、同居人が用意してくれていた女性用の浴衣を袋に詰め、移動。寺に集合し、タイの皆の到着後、それぞれ(日本のメンバーがそれぞれ持ち寄った)浴衣に着替え祇園祭に。浴衣で祭に行くのは、四半世紀生きてきて初めてだったと思う。まあ、浴衣で行こうが別段、変化は無いのだけれども、タイの面々との祭はとても楽しく、有意義だった。

そこに居た。その中に居た。それで良かった。

生きているうえで、上記のこと以上のことなど無いだろう。要は、どこに居て、どの中に居て、どうだったか、だ。それの連続しかあり得ない。残酷かもしれないが、そういう話だ。今はとりあえず、ここにいるという話である。

2009. 7. 14|TUE

四条

午前11時に医者の予約を取っていたのに11時に起床してしまう。バイクの鍵を無くしてしまったから実家にも帰らねばならなかったのだったが、それらは明日へと延期。

夕方、百万遍あたりで「象、鯨。」の西山真来さんと会う。以前、観劇した時に興味を持ち、メールをしたところ会うことになったのだった。初めて会い、お話したのだったが、思っていた通り怜悧な方で、適当なことを言ってしまわないよう気をつける。

夜、四条の不二屋の前で待ち合わせ、祇園祭。四条通りが歩行者天国になり、いつもより人が多く、屋台が並び、コンビニが繁盛するだけの祭りである。こういった大きな祭りは形骸化することで生き残るのだろうか、とか思う。

その後、chikin三人と孝学くんが我が家に。なんとなく『⊿』の初回版に付いてくるDVDを観ると、『Perfume First Tour 『GAME』』が観たくなり、「とりあえず始まりがかっこいいから、始まりを」と再生したら最後、全部観てしまう。そりゃそうだ。3人の良さをやんや言いながら鑑賞。「かしゆか可愛い!」と大はしゃぎ。デヴィッド・バーンとジョナサン・デミが協力して彼女達のライブ映画を撮ったら、それこそその後流通するすべてのパッケージを買い占めて独り占めしたい気分になるだろう。まったく稀有な存在である。

少し前にリペアに出したジーンズが、もう新たに三箇所も穴を作ってしまった。限界かしら。困ったなあ。

2009. 7. 13|MON

午前起床。体が引き続きポンコツなことになっている。大幅に遅れて稽古に。体が不快で頭がまわらない。足りないものはないはずなのに、うまくかみ合っていないような気がずっとしていて、果たしてなぜそんなことを思うのか? 明日から3日間、稽古は休み。

自分がいかに日本語を頼りにしているのか痛感する日々。

2009. 7. 12|SUN

今月は毎日書こうと思ったのだったが、昨日は書けなかった。

さて、昨日11日のことから。稽古。今日も含めて二日、疲労もあってか体調が悪く、遅刻。時折、ふらふらとしていた。そんな自分に腹が立つ負の連鎖。稽古後、タイのメンバーが寿司を食いたいと言うので、閉店の近い「かっぱ寿司」に大慌てで向かう。大慌てで食い、その後、chikinのcossiとダンサーの舟木が共催している個展に出向く。まんまる○●vol.2『自画像』というもの。タイの皆も連れ立って10人程で押し掛ける。みなわいわいと楽しそうだった。その後、鴨川で少し呑み(俺はバイクだったのでコーラ)、解散。俺はその後『自画像』をやっている「ART SPACE 其の延長」へ戻る。終わり間近まで滞在し、ようやく帰宅。午前3時ごろ。

本日、伊丹はAI・HALLで稽古。既述したように体調が優れない。時折もうろうとしつつ、京都に戻り、ラーメンを食べて帰宅。

帰宅の道中、バイクの鍵が無いことに気が付く。今日はバイクに乗っていないから、ただ単に落っこちたのだろう。ショック。ああ。

明日の稽古のあと、3日ほど休み。その後はほとんどノンストップで本番だから、明日に種を蒔きたいし、そして休暇の間に集中力と体力を回復しておかなければ。なんだろう、なにか歯車があっていないような気がする。なんだ。

2009. 7. 10|FRI

終日稽古。ウォームアップにヨガ。ヨガ、久しぶり。それからしばらく即興。その際、完全に俺の過失で良くないことがあった。落ち込むが、それでグラグラした心のままだとほんとに最低なので、集中。

その後、今は京都大学で教授をされている吉岡洋さんがいらっしゃり、取材の方と通訳の方を交えていろいろと会話。後半は「無」がテーマになり、難解すぎてやはり直接の会話でなくてはうまくいかない。吉岡さんは稽古後行った居酒屋でも面白い話をいろいろと話してくださる。素敵なひととなりの方だった。

帰ってきて一人になってやはり尾を引いていて落ち込む。そういうことを発散するために俺に日記は与えられていないから、今日はこのあたり。明日へつづく。

2009. 7. 9|THU

今日は疲れたので日記は書かないでおこうかとも思ったのだったが、今月は欠かさず書いているし、何となく短くても毎日書こうと考え直す。

終日『Melody Cup』の稽古。俺の名前は記載されていないが、とても良いフライヤーとポスターが届いていた。

contact Gonzo」の塚原さんという方がワークショップの講師をしに来て下さる。簡単なコンタクト・インプロビゼーションのワークショップ。ほんの触りを真似ただけだったのにとても疲れた。

タイ語と日本語のあいのこを作れないか色々と試す。

タイの伝統的な祭の踊りと歌を少し教わる。

やったことをただ箇条書きしたのは自分のためのメモで、とにかく何かを思いつくためには、今回の場合、テーマも無いし、まだ他の出演者とのコミュニケーションも(もちろん俺などは参加二日目だから当然だが)少ないから、やはり蓄積や文脈からヒントを得るしかないわけで、きっと何か思いつく瞬発力を得るにはそれなりの時間がかかるはずだし、ところが公演まで一ヶ月を切っての参加。とりあえずやったことは記録しておこう、と。

なんか、たぶん稽古場以外での交流が重要だと思う。タイからのメンバーが皆で揃っている時ではなくて、もっと1対1の。

さて、帰宅後は役者の川口くんが東京に行くので、その送別会がてらの、なんというかいつもの集い@我が家。明け方まで。ひさしぶりに尾上くんに会ったり、岩澤さんや三間くんとも会えて楽しかった。むろん、他の来訪者とも楽しい時間を過ごしたが、しょっちゅう会うからね、みんな。ちょっと久しぶりだった人がその三人だった。明け方に解散。そんなわけでもうばっちり朝だ。

今朝、Perfumeの『⊿』がAmazonから届き、まあ、シングル曲を聴き直すだけでも最高なんだけど、上記のようにずっと人と居てまだ聴けていない。早く聴きたい。

2009. 7. 8|WED

琵琶湖

昨晩、それほど寝ていないのになかなか寝付けず、明け方、小雨というには強い雨音を聞きながら、これじゃあ、今日の琵琶湖での『Melody Cup』の稽古は中止だなあ、と思っていたのだったが、朝起きると、まだ雨は降っているにも関わらず「GO」のメールが届いていた。

結果的にそれは大正解で、琵琶湖に着くと雨は止み、夕方には写真のように陽の射す時間もあったのだった。

全くわからないもので、『アロマロア エロゲロエ』の出演メンバーで同じく琵琶湖に来た際、その稀に見る楽しい時間に、なんとなくもうこういうことは二度と無いのだろうなあ、と思っていたのだったが、もはや学生でも無く、そして一昨日まで夕刻にアルバイトに出向く予定だったはずの今日に、またこんな時間が訪れるなんて。

タイから来た面々とは基本的に俺のポンコツ英語でしか話すことが出来ないが、全然大丈夫だ。今回の出演依頼を受けた時、体も硬く音痴で、演技経験もほとんど無い俺が『アロマロア エロゲロエ』で舞台に立っていられたのは、日本語という「道具」への強い意識を頼りにし、それをある程度成立させていると自負していたからだったため、今回、日本語が機能不全になるであろう稽古の中で、俺は何を軸にするのか、と考えたのだったが、当初から、例えば外国語に対するメタファーとしてや、それらとの距離の顕在に日本語を使うのは嫌だと考えており、そして今日の琵琶湖でその思いは一層強まった。本格的に稽古に参加するのは明日からだが、緊張が高まる。

京都に戻り、『アロマロア エロゲロエ』で共演した諸江くんとあやりちゃんと夕食を取り、日付が変わるころ帰宅。激しく楽しんだ。全く、自分の選択に感謝する。

琵琶湖の水は冷たかったけど、泳げないこともなかった。

2009. 7. 7|TUE

ODESSA

七夕。昨晩、呑み慣れぬワインのせいか頭痛で眠れず。仕方無いので「Illustrator」で作業をしていたら朝。chikinのトミーが物を取りに来ることになっていたから洗濯をしつつ待つ。それからは、昼に少しの睡眠を挟み、夕刻までに様々な問題を処理。すべて片付いたので「京都芸術センター」に行き、高嶺さんに出演の意思を伝え、『Melody Cup』の面々と、昨日も会ってはいるものの、正式な参加者として挨拶。

それから同居人の妹の誕生会にお邪魔し、御馳走になり、帰宅後は、『Melody Cup』のことはまだ何もわかっていないため、まあ、本番を迎えても「わかった」ってなるとは到底思えないが、それとはまた別の話としてわかっていないため、高嶺さんがタイトルの「Melody」の部分は『小さな恋のメロディ』のテーマソングとしての『Melody Fair』に由来すると言っていたので、『小さな恋のメロディ』をDVDで。良いねー。Jack Wild演じるトムには泣かされる。

画像は「BEE GEES」のアルバム『ODESSA』のアートワーク。美しい。

そんなわけで明日からは稽古の日々だが、初参加の明日は皆で琵琶湖に行くという。天気予報は生憎の雨だが。『アロマロア エロゲロエ』の時も琵琶湖に行っていて、あれは楽しかったなあ……。公演時期が今回より遅かったため真夏も真夏だったのではなかったか。

あと一ヶ月で酷くなまった体をある程度あたためないと。なんだか知らないが、何も覚えがないのに右の足の付け根あたりの筋が痛い。何もしてないのになあ……。あ、ゴーグルどこにあったっけかな。水中メガネ。

あ、一応現在のところの『Melody Cup』の情報を転載しておきます。

新作パフォーマンス制作中です。
これまでは、授業やオーディションで「たまたま集まってきた」人と作っていたわけですが、今回、はじめて自分の手で出演者を選ぶことになり、はたと困った。
「一緒にいたい人」と、「一緒に舞台を作りたい人」はぴったり一致するわけでない、ということと、なにより今回もまた、ストーリーやコンセプトを決めないまま始めているからです。
どんな作品になるかわからないままにパフォーマーを選ぶ、というのはとても難しい。
今回、最初に声をかけたのが、上海のアートフェアでたまたま出会ったDearbornで、彼女がたまたまタイ人だったのを縁にタイに出かけ、出会った中から数人を選びました。
しかしそもそもDearbornは舞台に立った経験がない。
どうなるかわからんけど面白そうだから誘ってみた、という。
なんという意志薄弱、と怒られそうですが、最後にはダルマの目のようにちゃんと意思が入るはずで、その意思がどんなものになるかというのは、以下出演者とスタッフによる。
そんな作り方。ご期待ください。

新作パフォーマンス『Melody Cup』
出演:Dearborn K. Mendhaka、Pakorn Thummapruksa、Ratchanok Ketboonruang、Preeyachanok Ketsuwan、Nattiporn Athakhan、朝倉太郎、伊藤彩里、木村敦子、トミー(chikin)、ニイユミコ(花嵐)、諸江翔大朗、ほか
スタッフ:舞台監督_尾崎聡、照明_葛西健一、音響_山崎伸吾、システム_小西小多郎、宣伝美術_木村敦子

日時:2009年8月8日(土)7:00pm、8月9日(日)1:00pm/5:00pm
料金:一般前売2,500円、当日2,800円 学生&ユース(25才以下)前売2,000円、当日2,300円
*9日1:00pmの回に限り、18才以下、60才以上入場無料(要事前予約)
取扱:JCDNダンスリザーブチケットぴあ
会場・チケット予約・お問い合わせ:アイホール(伊丹市立演劇ホール)

俺はまあ、今日決まったので「出演」の「ほか」の部分である。さて、まだ「ほか」は現れるのかしら。

2009. 7. 6|MON

夕立

美術家の高嶺格さんが新作である舞台作品の稽古を開始したと、出演するchikinのトミーから聞き、丹波マンガン記念館での日々の間、いろいろと話を聞いていて興味があったため、稽古場見学に行く。

写真は、今日の稽古場であり、『アロマロア エロゲロエ』の主な稽古場所でもあった「法雲寺」に向かう途中、腹ごしらえで立ち寄った「なか卯」から。担々麺を食っていると、雷鳴と共に豪雨。どうしよう、と思っていたら食い終わるとともに止んだので、無事濡れずに「法雲寺」に。

ああ、懐かしい! そして夏のここはやはり気持ち良い。高嶺さんの新作『Melody Cup』にはタイ人の出演者が5名いるため、会話は基本的に英語であった。京都の寺で、英語/日本語/タイ語、加えてお経が飛び交ったのは爽快だった。俺は英語が(英会話教室にずっと通っていたのに)ほとんどダメなので、簡単なこと以外は通訳してもらっていたが、タイの方々はとても気さくで、楽しい時間だった。

元々は京極くんから、彼が夏に東京で公演する「肉体関係」というユニットの『48』の稽古場に来て欲しいと誘われていたため、夜はそこにはしごするつもりだったのだが、京極くんの都合が悪くなったため、そのまま『Melody Cup』の面々と「喫茶はなれ」というところで催された、タイからの客人の歓迎会に流れる。

行けば既に見ず知らずの人が、30から40人、普通の一軒家(喫茶はなれ)にぎゅうぎゅうになっていて、何かしら話せば繋がりは見える人たちばかりだったので楽しい時間を過ごす。携帯電話を変え、番号が変わってしまってから名刺を作っていなかったのは失敗だった。デザインは上げていたのに、発注していなかったのだった。

帰り際、高嶺さんから『Melody Cup』への出演を依頼をされる。稽古はほぼ毎日あるからさすがに既に破綻しつつある金のことが気にかかるも、だからって、ねえ? 一応、返事は保留したものの、断る理由があるはずもない。

午前1時前帰宅。慣れないワインのせいで頭痛。そんなわけで、明日は身辺整理になりそうだ。

2009. 7. 5|SUN

京都駅前

今日は、相模くん演出の舞台作品を伊丹AI・HALLまで観に行くつもりだったのだが、ぐずついた天気に体調も悪く、寝過ごしてしまう。残念。

ところで2Mピクセル。初めて購入したデジカメの画素数である。SONYの「DSC-U30」という、それは今見ても非常にコンパクトな設計のものだった。その後、それが壊れたので、次にPENTAXの「Optio WPi」という、当時は珍しかった「防水使用」のものを購入する。6Mピクセル。デジタルの一眼も持っているが、普段使うものは今もまだその「Optio WPi」というモデルのワインレッド。

デザインの仕事の素材となるとそんなことは言ってられないものの、普段なんとなく撮る写真というのは、大して綺麗に写らないぐらいが丁度良いと思っているところが俺にはあって、だから、最近のモデルに良く見られる顔認識機能などどうだって良いし、とにかく大事なのは素早く撮れる、そして携帯しやすいということ。

で、「素早く撮れる、そして携帯しやすい」が今、俺においては「iPhone」になりつつあるのだった。携帯電話だからむろん携帯しているし、写真もすぐに撮れる。カメラというものは例外は多々あるものの、そして細かい比率は違えど、基本的に横長の構図を切り取るように作られているが、携帯電話のカメラは基本的に縦長。そんなわけでここのところ日記に掲載している写真に縦長が増えてきたのだが、結局なにを言いたいのかというとつまり、道具の変化によって、俺の「写真」は何の疑いもなく「縦長」になっていたということに気付き、ハッとしたということ。全然、違うのに。何とも思っていなかった。

そんな「iPhone 3G」は2Mピクセル。昨今では中古のデジカメを探すか、おもちゃとして作られているデジカメを探すかしなければ無い画素数だろう。「iPhone 3GS」は3Mだし。今日の写真は京都駅前。信号が赤の時にバイクに乗りながらポケットのiPhoneを出してパッと撮ったもの。信号の赤が停車中の車体や窓に反射して赤が印象的だったので、なんとなく真っ赤にしてみる。こんな不用意な処理を施してしまえるのもまた「たかが2M」だからだろうか。

しかしまあ、縦長。「富士日記」の時から拝読している宮沢章夫さんの日記では、昨年秋頃から縦長の写真が頻繁に掲載されている。それは明らかに「iPhone」の「素早く撮れる、そして携帯しやすい」作用だと推測できるが、しかし、それまでそれほど頻繁に写真を掲載していなかった宮沢さんの日記は、今年に入ってからはほぼ毎更新ごとに大抵二枚ずつ写真が掲載されるように変化していて、これは「iPhone」が携帯しやすく、写真を撮りやすい道具であるという特性を持つことからだけの作用ではなく、なんとなく「2Mピクセルの縦長写真」の「性質」そのものが大きく影響しているように思えるのだった。

果たしてその「性質」とは。となると、簡単に思いつくようなことは幾つかあり、それで十分処理してしまえるように感ずるものの、その反面、「2Mピクセルの縦長写真研究会」なんかが出来ても良いんじゃないかと思うほど奥行きのあるテーマに思えるところもあって、じゃあ、俺は一体このあと何を書くのかというと、これは日記だから、今日は夜、牛タンを食べた、とてもおいしかった! という様な感じで、そんなことを考えました、と締めるだけである。

雨は夕刻に少しばかり降り、一旦やむと、その後深夜にしとしとと降り始めたのだった。つづく。

2009. 7. 4|SAT

高架下

雨は降らず。曇天。湿気の多い一日。洗濯をして出かける。

帰宅し、部屋を掃除し食器を洗う。友人二人、孝学くん川口くんが遊びに来る。二人とは随分ひさしぶりだったものの、あまりそういった感じがしなかったのは同居人から噂を聞いていたり、舞台上に立つ姿は最近見ていたからかもしれないが、それにしても、ブランク約一月半、小学生の体感で言えば、夏休みまるまる会っていない友人と新学期に会うってなもんで、会わなかった日々を思うと、どう考えても日々/日常が薄まっていると感じる。

二人にはそれぞれ手土産をもらう。孝学くん自家製の梅シロップと、川口くんは本を二冊貸してくれた。実家から中元でもらった羊羹と梅ゼリーは二人に大変喜ばれたよ、母よ。

それと、今月2日の日記での記述に対して、ウェブデザイナーの相馬さんから一票頂いたのだが、具体的にどの部分に一票は投じられたのかと考えると、おそらく、

「星野真里」に似ているところもあるらしく、場合によれば「エロい」

だと思われるのだが、というか、文脈からそれ以外の可能性は無いが、万が一、

彼女の異名である「エロテロリスト」を「テロエロリスト」と言い間違えてしまい、とても恥ずかしい思いをした

を指しているとすれば、それはどういった「一票」だろう? あるある的なものだろうか。というよりも、それは票を投じるというより、カミングアウトと考えるべきだし、もしそうであっても、「テロ」と「エロ」って似てますよね、という自立不能な言葉しか俺には放てない。

何を書こうと思っていたのだったか。あ、そうだ、相馬さんからは一票に続き、

ついてはどう児玉君このあと、うち立川だけど、寄ってく? 時間だいじょぶ? とさえ言いたいところだけれど、

と言っていただき嬉しく思い、立川という地名から、東京の地理に全く明るく無い俺は、ぼんやりと「東京」という場所を想うしかなく、すると、今日来訪してくれた友人二人は大学の後輩なのだけれども、最近、俺を慕ってくれる人は年下や後輩が多く、同年代の友人と言えば皆「東京」に行ってしまい、その共同生活している彼らの新居にはまだ行ったことが無く、彼らといる「あの感じ」は常々、京都に居ながらも思ってはいるものの、「あの感じ」は思っていても無いのと同じなので、とどのつまり、元気かなあ、会いたいなあ、と思ったのだった。

今の私たちの時間は小学生のそれより薄いのに、小学生のそれよりも、ずいぶん大げさに「距離」を顕在化させる。そんなセンチメンタルなことを少し思う。まあ、それは頭で考えただけのことか。実際は違うのだけど、そう考えるからそうなのだろう。

外が明らんできたしもう寝よう。明日からはしばらく雨が続くらしい。

2009. 7. 3|FRI

STUDIO VOICE

画像は、現在、家にある「STUDIO VOICE」である。別冊も含めて5冊であることから、熱心な読者とはいえないものの、昨今の相次ぐ廃刊/休刊、もしくはwebへの移行を対岸の火事のように感じていたうえに、「STUDIO VOICE」は大丈夫だろう、と根拠もなく思っていた身にはその休刊のニュースはショック。

夜、酒と煙草を買いにコンビニに行って雑誌のコーナーを眺めれば、ファッション雑誌、テレビの雑誌、コミック雑誌、新製品関連の雑誌、結婚関連の雑誌、エロ本。

俺は雑誌が好きなのだ。映画や漫画の描写で登場すると何か風が吹くような。想像するに、例えば燻った中高生が(女子も可)実家の自室で「STUDIO VOICE」のページを繰っている。そこで描かれる燻りっぷりは、これ、「QuickJapan」でも「ユリイカ」でも代わりとしてはダメに決まっているわけで、なんというか「こんな感じ」で存在していたものがバタバタと倒れていく現状はとても悲しい。そんなご時世に、「特集 生駒が面白い」と表紙に書かれた雑誌を見つけ驚いたが、それは「IN/SECTS」というもの。少し大掛かりなZINEといった趣き。雑誌がバタバタ死んで行くのと同時に、ZINEがあちこちで生まれている様子だが、果たして、何故か。

勝手なことを言えば、「ZINE」を作る人間は、言わば、「映画と漫画の創造に挫折し、小説を書いた者達」なのではないか。中央集権が良いとは言わないが、これじゃあ、ドーナツ化現象だよ。

さて、日記。夜、バイクに乗っていて雨に打たれる。今日は夜に小雨。帰宅するとテレビで『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』をやっていたので見つつ、夕食。食後、実家からお中元でなんかおいしいゼリーとともに届いた、ゼリーのようなおいしい羊羹を食べる。おいしい。

あ、そうだ、以前、昔のバイト先の同僚の方のTwitterで知ったSHARPのLED電球、今月発売ではなかったか、とAmazonを見ると、発売は終戦記念日であった。今、リビングの照明は裸電球にシェードをかぶせたものだけなのだが、この電球があれば明るさを7段階に調整できることから、映画を見る際は薄暗くできるし、色味も変えられることうえに一日10時間使用で10年保つとのことである。以上、今欲しい物の紹介。

あー沖縄行きたいなあ。カレーはうまい。

2009. 7. 2|THU

大家さん

今日は雨、降らず。

右のイラストは、夏の思い出として思い浮かぶものに出演した舞台公演『アロマロア エロゲロエ』があったのだが、それのまあ、なんというかアートワークである。ちなみに書いたのは俺ではない(書いたのは女優の岩澤侑生子さんである。勝手に使ってごめん。偶然見つけて、懐かしくて)

今日は贅沢な食。というのも、同居人に臨時収入があり、焚き付けて焼肉を食べる。以前から近所にあり、「たぶん、旨い」と勝手に信じていた店「ちゃんだん」にて。いやはや、おいしかった。そして帰宅し、実家からお中元でもらった、なんか、とりあえずおいしかった梅のゼリーを食す。

……別に、俺が焼肉とゼリーを食ったとか、そんな場末の情報はどうだって良いだろうなとは思いつつ、でも、日記だもん、これ、と開き直りたい気分もあり、ただやっぱり、一定数の方が毎日見てくれているということもあり、何かないのか、もうちょっとマシなことは! まったく、いつまでたってもこの不可避な逡巡に時間を食う。

あ、そうだ。ウェブデザイナーの相馬さんのサイト「web-conte.com」の日記にコメントをさせてもらったのだったが、どうも俺、コメントというものの「感じ」がうまく掴めないところがあり、そのコメントの内容は、「地点」の制作さんがかわいい方だということで、今日、焼肉を馳走してくれた同居人が以前「地点」の作品に出ていたこともあり、気にかかり聞いてみたところ、彼女もまた「かわいい」と言うし、もっと言えば、ずいぶん以前に、ネットにあるインタビュー記事を俺に見せ、「(俺の)好きそうな感じじゃない?」と問うたこともあったらしく、その際、俺は「うん」と言ったという。そしてさらに相馬さんによれば、「おっとり」もした方だとのことで、再び「そうなのか?」と聞くと、「そう」であり、「星野真里」に似ているところもあるらしく、場合によれば「エロい」というので、「それはそれは」と思いつつも一体俺は何を聞いているのか、とよくわからない気持ちになったのだったが、何だっけ、あ、そうだ、コメントはうまくできないから、という話だった、えー、だから代わりにここに書こうと思ったのだった。大体もう書いちゃったけど。ただ、なによりの朗報は相馬さんの愛猫であるロビンに、効果的な治療法が見つかったとの記述だ。良かった。

「かわいい」について追記すれば、しょこたんにも触れようか。同居人の愛猫であったりゅうが死んでしまった日、連日徹夜で看病していたので生活が逆転していたため、明け方、コンビニに行ったのだった。するとしょこたんが表紙の「sabra」があり、それまで彼女にそれほど興味があったわけでもなかったのに、そのヴィジュアルについ手に取りレジに持って行きそうになったのだったが、りゅうを看取り、コンビニに行き、「sabra」を買って帰ってくる、というのはちょっとやっぱり大分ダメだなあ、と思い直し、結局その翌日に買った「sabra」は今も大事に持っているが、あれ、何の話だっけ、よくわからない感じに、や、あの、よくわからなくなったついでに言えば、むかし友人の今野くんの家で「sabra」を見つけ、彼はサッカー選手の高原のインタビュー記事を目当てに買ったのだったが、当時はインリン・オブ・ジョイトイが「テロリスト」として大活躍していた時期で、雑誌の大半はインリンであり、サッカーに興味のない俺の焦点もまたインリンだったのだが、興奮して勢いあまってしまい、彼女の異名である「エロテロリスト」を「テロエロリスト」と言い間違えてしまい、とても恥ずかしい思いをしたのだったが、だからなんだ、そうだ、や、あの、しょこたんが彼女の持つ一日でのブログ最多更新記録を、誰ぞやに塗り替えられようとしていた日、確かしょこたんの記録は100回で、結果、挑戦者は101回更新したものの、その日偶然しょこたんは携帯を買い替え、以前の携帯の写メを処理していたということや、深夜にテレビシリーズの「エヴァンゲリオン」の再放送があったことからの夜更かしもあり、挑戦の裏で別段、挑戦でもなく一日に231回も更新していたという「どうだっていい」ニュースを知り、なぜか「かっこいいな、しょこたん」と思った話を、書こうと、ん、していたのだったか? いや、敬愛する筒井康隆さんのブログ「笑犬楼大通り 偽文士日碌」に登場した彼女への憧憬の話だったか?

ああ、いつのまにか長くて酷い日記になってしまった。誰にというわけでもないが申し訳ないなあ……。あの、万が一、苦情などあれば「mail@losco.jp」までお願いします。

2009. 7. 1|WED

本棚/猫

さて、昨日のことから。掃除、洗濯、洗い物。雨。夜、我が家に初めての訪問者がある場合、少しわかり難い場所にあるため、便宜上「上海バンドまで来てくれたら迎えに行くから」というふうに利用している中華料理屋「上海バンド」に。転居して一年になるが、今の家から来店するのは初めて。あ、違う、一回フライヤーの打ち合わせか何かで行ったのだったが、ともかくそこで食事を取るのは転居後初。旨い。

で、同居人はテレビシリーズの「エヴァンゲリオン」を観た事があると言うから、二人で『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』を観、俺にはよくわからなかった箇所を尋ねようと思ったのだったが、たとえばその質問は「あの、碇くんのお父さんが変な札みたいなのに囲まれてたけど、あれは誰なん?」や、「なんか、綾波レイと碇くんの名字を入れ替えて話すみたいなインサートがあったけど、あれは?」とか、「使徒を倒すのは計画の一部って言ってたけど、使徒を倒したあとはどうすんの?」など、どう考えたってストーリーの大筋部分に思える内容であったのに、同居人は「え、どうだったかなー」の一点張りで何の収穫も無い。さらに来客があって途中で観るのをやめる。『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』に対して失礼な対応。

本日。7月。夜に強い雨。ピナ・バウシュの訃報。