2009. 3. 19|THU

写真は渋谷駅構内に恒久展示されている岡本太郎の『明日の神話』である。縦5.5メートル、横30メートルの巨大壁画だ。
前日の日記の末尾にある通り、東京をうろうろしようかとも思ったのだったが、何しろ大きな街であるし、とめどないので結局すぐに帰ることにした。ところが、そう決めてから『明日の神話』を観て、京都に帰るまでが思いがけず大変だったのである。
俺は渋谷にいたのだった。で、少しの間ぼんやりとしていると、アジア系の観光客らしき人に「キミ、ハラジュク?」と連呼され、恐らく行き方を訪ねていたのだろうが、俺は知らない、と言い、それがきっかけでこんなところで何やってんだろう、と思い京都に帰ることにしたのだった。
ところが、その直後に俺は警官に話しかけられる。「最近、秋葉原の事件云々」ということで、荷物を見せて欲しいと言われる。帰ろうと思っていたから面倒だったが、拒んではもっと面倒に決まっているので見せると、俺は普段、VICTORINOXの一番小さいナイフを携帯していて、それのせいで交番まで連行される。連れていかれたのは渋谷駅前交番だ。で、「何で持っているのか」と問われたので、「あのー、そういうものが好きなんです」と、まあ、正直これといった使い道もないから答えると、パトカーに乗せられ渋谷警察署に連行される。そして取調室である。ドラマなどで観る取調室に入れられ、取り調べられたわけだが、話しているうちに、悲しいかな本当に俺が「そういうものが好き」なだけだということが明らかな空気になってきて、警官もなんだか申し訳なさそうだし、でも引くに引けない感じもあり、よくわからないが世間話を結構長い時間する。そして、芸大を出ているという話をし、写真の『明日の神話』が渋谷駅構内にあることを教えてもらったのだった。そんなこんなで、「家に帰るまで絶対に開けないでください」と封筒にナイフは入れられ玉手箱方式で返され、もう、理由もなくナイフは持ちませんという書類にサインして解放される。
もっと詳細に書ける話だが、こんなところで十分だろう。そして俺は『明日の神話』を観てから京都に。東京観光は歌舞伎町と渋谷警察署である。
さて、家はやっぱり良いね。疲れたよ。あの便利な小さいナイフでこんなに疲労するとは。渋谷だからダメだったんだろうなあ。「ほら、渋谷はドラッグの街だから」と警官に言われたが俺はそんなことは知らないよ。しかしまあ、大阪の医者から直行で東京に言ったから、大量の薬を所持していたものの処方箋があって良かった。無職で、ナイフ持ってて薬持っててフード被ってぼんやりしていたらまあ、取り調べられるか。それにしてもお互いにとって不運な話であった。
京都は別に好きじゃないけど、やっぱり楽だなあ。東京は目がチカチカする。
